TMB DANCER’S SHOW CASE vol.1
スペシャルインタビュー ♯03

TMB DANCER’S SHOW CASE vol.1開催を記念して、 連続インタビュー企画を実施!
大好評企画の3回目となる今回は、 元宝塚歌劇団星組トップスターで振付家の湖月わたるさんが登場。バレエ団として初の試みとなる今回の公演。振付家として参加する湖月さんに今回の公演への想いを伺いました。

このインタビューシリーズでは、舞台裏の裏話や振付家・アーティストの情熱に迫ります。
第4弾も近日公開予定! 楽しみにお待ちください。


元宝塚歌劇団星組トップスターの異ジャンルへの挑戦


──宝塚歌劇団星組トップスターとして活躍されたあと、数多の舞台にご出演されてきました。振付のお仕事も手がけていらっしゃるんですね。

自分のライブなどで、自分で振付をして自分で踊って、自分を見せる、ということはたびたびありました。ライブでは自分でこう発信したい、というものがありましたし、そういう作業は好きなんだなとは思っていました。そんな中で、今年の5月、GANMI×宝塚歌劇OG DANCE LIVE『2STEP』という舞台があり、そこで初めて、宝塚のOGと男性グループ「GANMI」とのコラボ作品を振付けるという機会をいただきました。OG8人のシーンと、男性ダンサーたちを含めたシーンの2曲でしたが、それがとても楽しかったんです。

──バレエ団からの依頼に、さぞ驚かれたのではないでしょうか。

私はまだ駆け出しですから、ぜひ勉強させていただきたいと思いましたし、YouTubeを拝見したらとても意欲的にバレエに向き合われていて、何か新しい扉を開けたいというすごい熱量も感じたんです。異ジャンルに取り組むことはすごく勇気がいることだと思いますが、何かお力になることができたら嬉しいなと思ったんです。

私も、タンゴやフラメンコなどの異ジャンルに挑戦したことがありますが、もちろん、最初は全然さまにならないけれど、それを“自分が踊るタンゴ”、“自分が踊るフラメンコ”に変えていく作業は、終わった時に大きな財産となりました。今回、ダンサーの皆さんの中にはいっぱい戸惑いがあると思うのですが、きっと何か、ものにしてくれるのではないかと思います。

吉田邑那と高谷麗美。二人のダンサーの印象。


──湖月さんの作品を踊る高谷麗美、吉田邑那という二人のダンサーについてはどんな印象をお持ちですか。

高谷さんは宝塚が大好きだそうで、目の前にいらしたら「観ていました!」と本当に嬉しそうにされていたんですよね。こういう世界にも興味を持たれているというのは私にとっても嬉しいこと。彼女は何かこう、内に秘めた情熱のようなものを感じさせるところもあり、いいなと思いました。 オーディションで出会った吉田くんは、華のある方だなと思っていましたが、いっぽうで、ハプニングが起きた時も笑顔で対応されていたのが印象的でした。ソリストとしてご活躍されているそうですね。男役出身の私が男性ダンサーのための振付で表現するとしたら、少しダーク系のジャズがいいかなと考えていました。それを踊っていただくならある程度ご経験のある方がいいかなと考えていたのと、前田清実先生に「彼はわたるに合いそうな気がする」とおっしゃっていただいたので、選ばせていただきました。

──吉田邑那のリハーサルでは、元男役ならではのカッコよさが前面に出た、熱のこもった稽古を展開されていましたね。

音楽は、マイケル・ブーブレが歌う『Feeling Good』を選びました。SNSで吉田くんが素肌にジャケットを着て踊っている動画を見つけて、ああ、こういうスタイルにも興味があるのかなと思ったのです。

「Feeling Good」、つまり、「いい気分」ということですが、でも決して明るくないんですよ。歌詞を読むと、歌ができた頃(オリジナルは1964年初演のミュージカル『The Roar of the Greasepaint-The Smell of the Crowd』のナンバー)の、人種差別がまだまだ強かった時代に、何か一歩前進した時に歌われたのかなと思われるものなんです。でもそれは手放しに「Feeling Good」ではないはず。吉田くんには、日々の現実、日々のニュースで感じることを、吉田くん自身として、感情を爆発させてもらいたいなと思います。誰かを演じるのではなく、彼が抱えている一番深い部分がブワッと出てきたら、身体から何か滲みでてくるのではないかと──。ジャズってそういうものだと思うんですよね。

吉田邑那:湖月わたる振付作品「Feeling Good」出演

──高谷麗美が踊るのは『バーレスク』というミュージカルのナンバーですね。

お店で、お客さまを前にパフォーマンスをしているという設定です。マラボーというのですが、羽のショールを纏って踊ります。彼女の中にも、大人っぽい面も可愛らしい部分も絶対にあると思うので、彼女のいろんな表情を見せることができたらいいですね。

──男役としてキャリアを積み重ねられてきた湖月さんが、女性ダンサーに振付けられる。興味津々です。

私は、宝塚に18年在籍していたのですが、辞めてからもう17年経つんです。その間に、いろいろと女性らしい踊りも踊らせていただいて、タンゴやフラメンコにも挑戦しましたし、ミュージカル『シカゴ』では、ボブ・フォッシーのスタイルを学ばせていただきました。そんな私の振付ですから、もちろん、私らしい感じにはなると思いますが、それを可愛らしい女性が踊ったらさぞかし女性らしい作品になるのではないかと(笑)! そこは逆に私も期待している部分です。

高谷麗美:湖月わたる振付作品「EXPRESS」出演

湖月わたるがバレエに期待することとは。


──バレエ・ダンサーが踊るジャズということについては、どのようにお考えですか。

二人が素敵に見えなければ意味がないので、もちろん、バレエ・ダンサーが踊るジャズでいいと思うんです。バレエのテクニックとジャズがぴったりと合った時、素敵に見えるといいなと思います。たとえば、バレエ・ダンサーのアティテュードなんて本当に綺麗。そういったバレエ・ダンサーならではの美しいラインは、存分に活かしてもらいたいと思います。

──バレエ・ダンサー、バレエ団に対してはどんなイメージを持たれていましたか。

宝塚受験を目指して、小学校5年生頃からバレエを習っていました。週5回通って、超特急で上手くなりたいと頑張っていたんです。その後、2年ほどでトウシューズを履くお許しが出て、皆に「おめでとう」って言ってもらって──。でも実は私、トウシューズは全然合わなくて……、挫折しました。宝塚音楽学校卒業までは頑張って履いていましたが(笑)。なので、トウシューズを履いて踊られているバレエ・ダンサーの方々は、全員、尊敬しています! そんなダンサーに私の振付を踊ってもらえるなんて、本当に光栄なことです。

バレエ団の皆さんが新しいことに挑戦される今回の公演は、バレエという概念を吹き飛ばすものになると思います。お客さまの想像をはるかに超える公演になるのではないかと、私も期待しています!

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